樹木の下、タープの下、バンガローの下。アウトドアライフでは、「外」という一言ではあまりある、様々な光や空気の状態を満喫できます。私達は、そんな豊かな住まいを目指し、所沢市の住宅街にある開放的な環境を望む崖地に、徐々に室内化の深度を増してゆく層を持つ家をつくりました。平面的・立体的に重なる層は、景色のような遠さを感じさせ、平面的な奥行感とは異なる深みをこの家に与えています。
夏季の環境対策として、最外殻となる土間の層には、残暑までを考慮した日射抑制ルーバーを設置し、また、排熱については強制換気により5回/h換気(自然換気を含めれば10回/h換気以上)とすることで絶えず空気が入れ換わる木陰のような環境を目指しました。冬季は、この層が空気の断熱層となることを期待し、断熱性の高い木毛板(熱伝導率0.069w/mk)を防火壁と兼ねて使用しました。また、上部に溜まった熱は、軸流ファンによって床下経由で食事室に送られ、補助的な暖房として利用しています。